2011年05月10日
橋本知事が主張した「首相公選制」には反対
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110510-00000013-mai-pol
橋本知事が首相公選制の導入を主張しているようだ。
首相を誰にするのかを決めるのに、国会議員ではなく国民が直接選ぶという
考えかたは建前としては良い。
しかし、仮に首相公選制を導入した場合、日本の首相の役割と今の国民気質
からして、国が良くなるとは到底思えない。
要は、民意は正しいのか?という根本的な問題がある。
政治、経済、国際問題等をふだんからチェックし、基礎的な知識と理解のある
国民ばかりなら相応の選択となるだろう。しかし、そうでないから立法や行政の
資質とは無関係の知名度、ルックス、声の大きさなどで当落が左右されている
のが現状である。
田中真紀子は良い例だが、最近はそうでもないものの、一時は議員の中でも
群を抜いて人気が高かった。特に、女性の支持は圧倒的な感じであった。
以前、小泉内閣発足時に彼女は外相となったものの、省内でトラブルばかり
起こし、外交も機能不全に陥ったことで更迭された。そのとたん、小泉内閣の
女性からの支持率が急落したほどである。
自分の知人の女性は、支持する理由を「はっきり物を言う」からだと話していた。
言うまでもないが、評論家やアナウンサーではないのだから、はっきり物を言う
というのは政治家の資質とは1mmも関係がない。
国会議員の職務は、第一に国の法律やルールを制定することである。
彼女が過去、国を良くするための何らかの立法に携わったかというと、聞いたことが無い。
単に、声が大きく、評論家のように他者を批判する姿に人気が集まっていたのだ。
他にも、TV番組に出ていたため知名度がある、小沢氏を批判している、議員の
中ではルックルが良い、若くてハキハキ物を言う、などつまらない要因で人気の
高い政治家はゴロゴロしている。
こんな状況で公選制を導入したら、その時その時の世論に媚びた主張を声を大に
して話す人物、TVに頻繁に出て大衆受けしやすい言動をする人物などが間違い
なく首相になってしまう。
そして、民意の表れだと胸を張って首相になったとしても、その権力は非常に
限られている。アメリカの大統領のように、何でもかんでもサイン一つで実行
できてしまう立場では無いのだ。
日本は議員内閣制だからである。
英国を中心とした移民、ネイティブアメリカンなど雑多な人種が集まって国を
作った米国はもともと王様的な存在がいなかったのだから、権力が集中する
大統領が合っているのだろう。
しかし、日本は天皇を国の中心として続いてきた村社会であり、その存在が
「象徴」となった今もそれは変わらない。
村社会では権力の集中は好まれないから、議員内閣制が変わることは無いだろう。
議員内閣制のまま首相の公選制を導入しても、肝心の行政がうまく機能する
はずも無い。
今の制度で選ばれた首相がダメだった場合、「誰が選んだのか!」と任命した
メンバー、政党が責任を負う。具体的には支持率は下がり、次回の選挙では
落選するかもしれない。
しかし、公選制でダメな人物が首相に選ばれた場合、誰が責任を負うのか?
その人物に投票した国民は次回選挙で投票権を失うなどといったペナルティを
負わせるならともかく、現実的には不可能だ。
ポピュリズムの極みともいえる単なる人気投票となる恐れ、実際の行政における
権力、権限の問題、責任の所在といった観点から、首相の公選制には反対である。
橋本知事が首相公選制の導入を主張しているようだ。
首相を誰にするのかを決めるのに、国会議員ではなく国民が直接選ぶという
考えかたは建前としては良い。
しかし、仮に首相公選制を導入した場合、日本の首相の役割と今の国民気質
からして、国が良くなるとは到底思えない。
要は、民意は正しいのか?という根本的な問題がある。
政治、経済、国際問題等をふだんからチェックし、基礎的な知識と理解のある
国民ばかりなら相応の選択となるだろう。しかし、そうでないから立法や行政の
資質とは無関係の知名度、ルックス、声の大きさなどで当落が左右されている
のが現状である。
田中真紀子は良い例だが、最近はそうでもないものの、一時は議員の中でも
群を抜いて人気が高かった。特に、女性の支持は圧倒的な感じであった。
以前、小泉内閣発足時に彼女は外相となったものの、省内でトラブルばかり
起こし、外交も機能不全に陥ったことで更迭された。そのとたん、小泉内閣の
女性からの支持率が急落したほどである。
自分の知人の女性は、支持する理由を「はっきり物を言う」からだと話していた。
言うまでもないが、評論家やアナウンサーではないのだから、はっきり物を言う
というのは政治家の資質とは1mmも関係がない。
国会議員の職務は、第一に国の法律やルールを制定することである。
彼女が過去、国を良くするための何らかの立法に携わったかというと、聞いたことが無い。
単に、声が大きく、評論家のように他者を批判する姿に人気が集まっていたのだ。
他にも、TV番組に出ていたため知名度がある、小沢氏を批判している、議員の
中ではルックルが良い、若くてハキハキ物を言う、などつまらない要因で人気の
高い政治家はゴロゴロしている。
こんな状況で公選制を導入したら、その時その時の世論に媚びた主張を声を大に
して話す人物、TVに頻繁に出て大衆受けしやすい言動をする人物などが間違い
なく首相になってしまう。
そして、民意の表れだと胸を張って首相になったとしても、その権力は非常に
限られている。アメリカの大統領のように、何でもかんでもサイン一つで実行
できてしまう立場では無いのだ。
日本は議員内閣制だからである。
英国を中心とした移民、ネイティブアメリカンなど雑多な人種が集まって国を
作った米国はもともと王様的な存在がいなかったのだから、権力が集中する
大統領が合っているのだろう。
しかし、日本は天皇を国の中心として続いてきた村社会であり、その存在が
「象徴」となった今もそれは変わらない。
村社会では権力の集中は好まれないから、議員内閣制が変わることは無いだろう。
議員内閣制のまま首相の公選制を導入しても、肝心の行政がうまく機能する
はずも無い。
今の制度で選ばれた首相がダメだった場合、「誰が選んだのか!」と任命した
メンバー、政党が責任を負う。具体的には支持率は下がり、次回の選挙では
落選するかもしれない。
しかし、公選制でダメな人物が首相に選ばれた場合、誰が責任を負うのか?
その人物に投票した国民は次回選挙で投票権を失うなどといったペナルティを
負わせるならともかく、現実的には不可能だ。
ポピュリズムの極みともいえる単なる人気投票となる恐れ、実際の行政における
権力、権限の問題、責任の所在といった観点から、首相の公選制には反対である。
Posted by はまぼう at 18:10│Comments(3)
この記事へのコメント
その結果も全て甘んじて受けるのが真の民主主義かと。国民も責任を持つべきす。そうすれば真剣に政を考えるようになるんじゃないのかなと。とはいえ議員内閣制も変えるのとセットではありますね。
いずれにせよ、古い政治システムは変革しなくては!
いずれにせよ、古い政治システムは変革しなくては!
Posted by ohatsume at 2011年05月10日 20:59
ohatsumeさん
民主主義という定義はそうかもしれませんが、自己責任という考えが極めて希薄な我が国の国民気質では、結果を甘んじては受けることはないと思います。
普段、代議士の言動などに関心がないことから、誰がどのような主義主張をしているかなど知らず、ワイドショーやニュースキャスターの解説で政治動向を吸収している人が投票所に足を運ぶ人の大半なのですから。
良くも悪くも自分本位、自己主義で成り立っている米国とは根本的に国情が違います。
民主主義という定義はそうかもしれませんが、自己責任という考えが極めて希薄な我が国の国民気質では、結果を甘んじては受けることはないと思います。
普段、代議士の言動などに関心がないことから、誰がどのような主義主張をしているかなど知らず、ワイドショーやニュースキャスターの解説で政治動向を吸収している人が投票所に足を運ぶ人の大半なのですから。
良くも悪くも自分本位、自己主義で成り立っている米国とは根本的に国情が違います。
Posted by はまぼう at 2011年05月10日 22:33
おっしゃる通りですね。
よく悪い民主主義と良い独裁が引き合いに出されますが歴史的にみて日本は後者で成り立って来た国であり、そもそも民主主義も勝ち取ったわけでなく都合の良い仕組みになっている以上、おっしゃっている責任を取らない気質はそう簡単には変わらないのは同意見です。
とはいえ、その気質を生み出しているのも現状のシステムが原因の一部だと思うのでそれを変える為の第一歩が公選制なのだと私は考えてます。
どんなシステムであれ悪い結果を容認する事はありえません。
ですが“納得の度合い”は公選制の方が“マシ”というのもあるかと思います。
(また、憲法改正の足がかりになるのではないかという期待もあります)
議員内閣制や地方分権等のポピュリズムによる暴走対策は必須ですが、税金を納めている一権利者としては、それがたとえ悪い民主主義であろうとやはり”選択の権利”を行使したいと思いますね。
よく悪い民主主義と良い独裁が引き合いに出されますが歴史的にみて日本は後者で成り立って来た国であり、そもそも民主主義も勝ち取ったわけでなく都合の良い仕組みになっている以上、おっしゃっている責任を取らない気質はそう簡単には変わらないのは同意見です。
とはいえ、その気質を生み出しているのも現状のシステムが原因の一部だと思うのでそれを変える為の第一歩が公選制なのだと私は考えてます。
どんなシステムであれ悪い結果を容認する事はありえません。
ですが“納得の度合い”は公選制の方が“マシ”というのもあるかと思います。
(また、憲法改正の足がかりになるのではないかという期待もあります)
議員内閣制や地方分権等のポピュリズムによる暴走対策は必須ですが、税金を納めている一権利者としては、それがたとえ悪い民主主義であろうとやはり”選択の権利”を行使したいと思いますね。
Posted by ohatsume at 2011年05月13日 04:02
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